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2022年11月18日
News Release
ICEF事務局

COP27 公式サイドイベントとジャパン・パビリオンにICEFが参加
「低炭素アンモニア」ロードマップ完成版と
「ブルーカーボン」ロードマップドラフトを発表

国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が11月6日(日)から11月18日(金)の間、エジプトのシャルム・エル・シェイクで行われ、ICEFは公式サイドイベントとジャパン・パビリオンに参加しました。
ICEF2022にてドラフトを発表した低炭素アンモニアロードマップについては完成版を、ICEF2022では概要を発表したブルーカーボンロードマップについてはドラフトを発表した他、COP27開催地であるアフリカへも焦点を当て、IRENAやUNIDOといった国際機関やケニアのNGOを登壇者に迎えてグローバルなカーボンニュートラル達成に向けた議論を行いました。


1. UNFCCC公式サイドイベント「技術革新、政策の実行、および包括的なマルチレベル・ガバナンスを通じた気候変動への取組」

本イベントは持続可能な開発分野を専門とするインドの高等教育機関であるTERI School of Advanced Studies (TERI SAS)、ケニアで先住民族等の地域社会保護と開発に取り組むIndigenous Information Network (IIN)と共催しました。世界全体でのカーボンニュートラル達成に向け、政府機関、技術研究、途上国支援というそれぞれの立場から発表および議論を行いました。

ICEFは技術革新を支援・促進する政府機関の視点から、ネット・ゼロ社会への貢献が期待される先端技術「低炭素アンモニア」「ブルーカーボン」を取り上げたロードマップについて発表しました。ディスカッションでは、カーボンニュートラル達成に向けた、地球規模での段階的なCO2排出量削減と経済発展を同時に目指す必要性について意見を交わし、アカデミアやビジネスにおけるイノベーションを加速するための十分な資金と、国や地域の多様性を理解した上での国際協力の重要性を議論しました。

当日の様子はUNFCCC公式YouTubeにてご視聴いただけます。
https://www.youtube.com/c/UnfcccInt/playlists


2. ジャパン・パビリオン

経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共催でICEFイベントを実施し、2つのロードマップを発表しました。ICEF運営委員であるデービッド・サンダロー氏や、ICEF2022でCDR(二酸化炭素除去技術)についてのテクノロジーセッションに登壇したフリオ・フリードマン氏(カーボンダイレクト)のほか、IRENA、UNIDOおよび三菱重工業株式会社から登壇者を招き、政府機関・国際機関・民間企業のそれぞれの立場より、カーボンニュートラル達成に向けた取組の発表と議論を行いました。

さらに、NEDO、一般社団法人日本経済団体連合会、一般財団法人日本エネルギー経済研究所、一般財団法人地球産業文化研究所の共催イベントへも参加し、ロードマップに関するプレゼンテーションを行いました。


3. ロードマップ発表(「低炭素アンモニア」「ブルーカーボン」)

ICEFでは毎年、長期的ネット・ゼロ・エミッションを牽引することが期待される技術を取り上げ、そのロードマップを作成しています。年次総会においてドラフトまたは概要を提示し、総会での議論や有識者のレビューコメントを反映した後、COP27において「低炭素アンモニア」ロードマップ完成版と、「ブルーカーボン」ロードマップドラフトをリリースしました。

「低炭素アンモニア」ロードマップは、現代社会の必須素材であるアンモニアを取り上げ、今日のアンモニア産業、生産規模を拡大するためのインフラの必要性など低炭素アンモニアの生産コストを削減するための戦略、数年内に利用可能な低炭素アンモニアを使用した排出量削減策、アンモニアの安全性と地域環境への影響、研究開発の必要性及び政策オプションなどを検討・提言しています。

「ブルーカーボン」ロードマップは、マングローブ、干潟、藻場、天然の大型藻場、およびコンブやホンダワラなどの大型藻類の養殖によって回収・蓄積されるCO2をブルーカーボンと定義し、最新の科学的知見、今後期待される研究開発分野、今後起こりうる制度・政策・環境に関する考察を整理するとともに、ブルーカーボンの吸収量を増やし、生態系の消失による排出量を削減するための道筋を提示しています。

「低炭素アンモニア」ロードマップ完成版および「ブルーカーボン」ロードマップドラフトは、こちらのページをご覧ください。


4. 参考情報:BNEFサミット

ICEFは11月29日に上海で開催されるBNEFサミットへ参加します。BNEFサミットでは、中国のGreen Modernizationをテーマに、経済発展を達成しながら排出量をゼロにする目標を達成するために、ICEFが注力するテクノロジーの研究と発展がどのように貢献するかについて議論を行います。田中伸男ICEF運営委員長に加え、ICEF運営委員よりウー・チャンホワ氏、デービッド・サンダロー氏、さらに中国のキーステークホルダーによるセッションにご期待ください。オンライン視聴は、こちらから申込可能です。

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